2025年12月06日

釜石平田城〔仮称〕(岩手県釜石市)

DSCN0129.JPG←主郭背後の堀切(内堀)
 釜石平田城は、アプリ「スーパー地形」で5月に公開された1mメッシュデータから発見した城である。現認は2025年11月下旬。狐崎城から南方約3kmの位置にあり、江戸時代に南部藩が伊達藩との藩境に番所を置いた平田地区の北側に当たる。現在は眼下に水産技術センターなどが建つ平地が広がっているが、これは全て埋立地で、埋め立て以前は眼下に海が迫っていた。つまり平田城は、釜石中心部に通じる海沿いの街道を扼する位置にある。この地域では、1601年に葛西氏旧臣らが狐崎城で蜂起した釜石一揆が起こり、伊達軍に討伐されている。このことから平田城は、釜石一揆の一揆勢が伊達軍の接近を阻止するために築いた城砦だった可能性がある。尚、城名であるが、大船渡市三陸町にも平田城があることから、区別するために釜石平田城と命名した。

 平田城は、標高98mの山上に築かれている。現在城の北側に釜石斎場が建っており、駐車場脇から山裾に取り付いて東側の斜面を登れば城に行ける。山頂に狭小な主郭を置き、背後の尾根に二重堀切を穿っている。二重堀切の外堀は小さいが、内堀はしっかりした規模で背後を分断している。内堀から左右に落ちる竪堀の脇には、主郭の南北両方の下方に竪土塁を挟んで横堀が始まり、そのまま北東と南東の尾根に向かって長大な空堀となって落ちている。特に南側の空堀が始まる横堀部分の土塁には多数の石があり、石積があった可能性がある。主郭の東と北東の尾根には腰曲輪が何段も築かれているが、東尾根に大きな一郭があり、ニノ郭と思われる。この他、主郭の北東側の腰曲輪群には虎口らしい跡があり、そこにも石が多数あって、石積の虎口が築かれていた可能性がある。
主郭から見た二重堀切→DSCN0116.JPG
DSCN0135.JPG←横堀土塁の石積らしい跡
二ノ郭→DSCN0098.JPG
DSCN0141.JPG←北東尾根の空堀
↓赤色立体図で見た釜石平田城(出典:全国Q地図〔国土地理院測量成果〕)
z平田城赤色立体図.jpg

 お城評価(満点=五つ星):☆☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/39.250813/141.886750/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1g1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1

※岩手県の「いわてデジタルマップ」の文化財地図に記載されていないため、新発見城郭として記載しています。もし地元ではかねてより城跡として認識されている場合は、コメントいただけると幸いです。

城館調査の手引き - 中井 均
城館調査の手引き - 中井 均
ラベル:中世山城
posted by アテンザ23Z at 02:00| Comment(2) | 古城めぐり(岩手) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
>らんまるさん
こちらこそご無沙汰しております。
らんまるさんは最近は、城郭探訪のアテンドや講演会などにご活躍で、さぞご多忙の日々を送っておられると思います。
それに引き換え私は相変わらずマイペースで、自分の行きたい方面の城に行っています。

ブログですが、このシーサーブログもいつまで続くか、私も心配しています。でも独自のホームページ作ると、そんなにお金掛かるんですね。私にはできそうにないなぁ・・・。

恵那市の、認定した新発見城郭が間違っていたというのは、初めて聞きました。やっぱりそういうこともあるんですね。

それにしても、やはり年には勝てないもので、私も最近は徐々に城巡りのペースが落ちてきました。おまけに右目の調子が良くなくて、ものも見づらくなってきてたり・・・。でもまだまだ行けるだけ、頑張って行きたいと思っています。らんまるさんもご自愛ください。
Posted by アテンザ23Z at 2025年12月06日 15:00
アテンザ23Z様

本当にご無沙汰しております。ブログも引っ越されたのですね。リンク先を先ほど変更しておきました。
最近は突然ブログを終了する会社が続き、小生の使用しているFC2も無料なのでいつ閉鎖宣告されても文句は言えないので、worldpressへ移行しようかと真剣に悩んでおります。業者に見積もり依頼したら移転と修正一切込みで25万円。レンタルサーバー代が月々かかるし、どうしたものかと考え中(汗)

最近は赤色立体地図のおかげで埋もれた城の発見が続いているようですね。とはいえ、しっかりした裏付けと考古学者のお墨付きが無いと、安易には認定しないみたいです。恵那市のように判断材料が揃わず見切り発車して城跡認定したが、実際には違ったなんて笑い話にもなりません。

貴殿の衰えない城への情熱には感服ですね。小生はこのところ体力・気力が衰えてどうしたものかと・・(笑)

ではまた。
Posted by らんまる at 2025年12月06日 13:54
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